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紫外線

多くの爬虫類は日光に含まれる紫外線(ultraviolet rays)を必要としています。紫外線を浴びることによって体内でビタミンD3を合成するためであり、紫外線不足は死につながる場合もあります。 そこで紫外線に関する本実験を大学の実習の一環として行いました。参考にしていただけると幸いです。

紫外線には、長波長紫外線であるUVA紫外線、中波長紫外線UVB紫外線、短波長紫外線UVCがあります。
UVAには食欲を高め、活発な活動を促進し、交尾を誘発する働きがあると言われています。UVBは、カルシウムの代謝を助けるビタミンD3を合成する働きがあります。ビタミンD3を含む栄養剤が、紫外線の代用になると考えている人もいますが、栄養剤のみで紫外線をあて当てないと健康状態が悪化するといった実験結果も出ているので、紫外線は爬虫類にとっては欠かせないものであるといえます。
爬虫類にとって必要な紫外線とは、光のスペクトルのUVA400nm〜320nm、UVB320nm〜285nmの間の分光域をさします。またUVC200〜260nmは生物にとって非常に危険です。
本実験では、特に重要であるUVBについて測定しました。
測定機具として、UVB(以下、紫外線と表記)の測定が可能な受光部UD−36を有した紫外線強度計(UVR−1)を使用しました。(写真)

使用したライトは、実験U、Vでは比較的紫外線量の多い新品のレプティックグロー5.0 20W ( UVA 30%, UVB 5%, 290〜400nm ) を、W、XではDURO-TEST社のTRUE-LITE 20型 18Wを、熱帯魚用の上部ライトに設置して、暗室で以下の条件にて各5回の測定を行いました。


T. 天候による紫外線量の違いを調べるために、晴天、曇り、雨天の日に同じ時間、同じ場所で紫外線量を各5回計測しました。

▽測定月:11月, 測定時間:10:15〜10:30

『天気による紫外線量の違い』

 1回目  2回目  3回目  4回目  5回目
晴天 1922 1883 1871 1881 1895
曇り 467 443 445 463 469
43 39 40 41 42

※紫外線量の単位:μW/cm2

○結果としては紫外線量平均値±SDは、晴天1890.4±17.55, 曇り457.4±11.13, 雨41±1.41であり、
晴天時を基準とすると曇りの日は24.2%, 雨の日は2.17%の紫外線量でした。
測定月が11月でしたが、晴天の日は気温がかなり高く汗ばむ陽気でした。
天気による紫外線量は季節、場所、時刻によって左右されるので、あくまで参考までにお願いします。


U. 距離による紫外線量の違いを調べるために、ライトから紫外線強度計を離していき、距離が0cm、10cm、20cm、30cm、40cm、50cmの箇所で各5回計測しました。

『距離による紫外線量の違い』

 1回目  2回目  3回目  4回目  5回目
0(cm) 1439 1389 1333 1427 1402
10 (cm) 312 310 311 309 310
20 (cm) 161 163 163 162 162
30 (cm) 101 102 103 102 106
40 (cm) 72 71 70 71 70
50 (cm) 51 50 50 51 50

※紫外線量の単位:μW/cm2

結果は、一目瞭然ですがライトからの距離が遠いほど紫外線量は減少します。
通常は良くても20cmの距離以上にライトを設置してあるかと思います。
十分日光に当たってる個体ならいいのですが、冬場などそうはいかない場合が多いかと思います。ですから紫外線量の不足を補うためにもライトは2〜3本は設置する必要があると考えられます。
他には上にアルミホイルを張ってやると、紫外線量がかなり増加するようなので効果的だと考えられます。しかし、キラキラして個体が落ち着かなくなるような気もするので、何ともいえませんが・・・
またTより、曇りの日でもライトよりも遥かに多く紫外線が出ているので、短時間でも日光浴させるのが良いかと考えられます。


V. 1.6mmと11.6mmの二種類のガラスを利用して、ガラス透過後の紫外線量を測定しました。温室上部にライトを直接置いた状況を考え、実験を行ったのでライトに密着させたガラスは動かさず、紫外線強度計を離していき、距離が0cm、10cm、20cm、30cm、40cm、50cmの箇所で各5回計測しました。

『ガラスの厚さによる紫外線透過量の違い』

    @1.6mmのガラス

 1回目  2回目  3回目  4回目  5回目
0(cm) 1121 1104 1150 1159 1145
10 (cm) 254 253 259 258 259
20 (cm) 137 127 137 137 138
30 (cm) 87 86 86 87 86
40 (cm) 59 59 59 57 58
50 (cm) 43 44 44 43 42

※紫外線量の単位:μW/cm2

    A11.6mmのガラス

 1回目  2回目  3回目  4回目  5回目
0(cm) 658 648 639 663 640
10 (cm) 183 186 185 185 185
20 (cm) 60 59 60 60 60
30 (cm) 30 30 30 30 29
40 (cm) 20 20 20 20 20
50 (cm) 14 14 14 14 14

※紫外線量の単位:μW/cm2

Uの実験に、二種類の厚さの違うガラスをライトに密着させただけなので、Uの結果と比較すれば判りやすいです。
ガラスの厚さが厚いほど紫外線が多く吸収されてしまうといった結果が出ました。


W. 今実験は、使用者が多いと考えられるDURO-TEST社のTRUE-LITE 18Wを使用して実験を行いました。
新品のTRUE-LITE・・・@と、約一年使用したTRUE-LITE(一日12時間点灯)・・・Aを利用して、
ライトから紫外線強度計を離していき、距離が0cm、10cm、20cm、30cm、40cm、50cmの箇所で各5回計測しました。
また新品のTRUE-LITEを使用して一般的な温室のガラス透過後の紫外線量・・・Bを同じく測定しました。
なおBは、温室上部にライトを直接置いた状況を考え、実験を行ったのでライトに密着させたガラスは動かさず、紫外線強度計を離していきました。

▽量が多くなり見づらくなるのを防ぐため、表には五回の平均値を載せておきました。

『TRUE-LITEの使用日数による紫外線量の違い、
及び新品のTRUE-LITEの温室のガラス透過後の紫外線透過量』

    @     A     B
0(cm) 610 276 298
10 (cm) 99 47 63
20 (cm) 45 23 31
30 (cm) 26 14 19
40 (cm) 17 9 13
50 (cm) 12 7 9
60 (cm) 8 5 7

※紫外線量の単位:μW/cm2

結果は新品と比較すると、紫外線量は約一年ほど(12h/1day)でかなり減少することが判ります。AとBとを比較してみても判るように、温室のガラス越しに使用している状態よりも低いくらいです。
ですからライトは一年以内で新しい物と交換した方が良いと考えられます。


X. 鏡に反射させて紫外線量を測定してみました。ライトからの光を反射させて紫外線強度計の受光部にあてるという方法を取りました。ライトはWの実験の@で使用した物と同一です。
ライトから鏡まで10cm、20cmの距離で反射させ、鏡から10cmの距離に紫外線強度計を絶えず来るように設置し、測定しました。

結果は10cmの位置で 10μW/cm2、20cmの位置で 5μW/cm2でした。それ以上の距離では 0μW/cm2となりました。
Wの実験(@)からも判るように新品のライトでも10cm、20cmと離すと紫外線量は格段に落ちます。ですから鏡で反射させて日光を当てる場合でもできるだけ近くで当ててあげたほうが良いと考えられます。
一応日光でもやってみましたが、天候によってデータは変わるので何ともいえませんが、鏡で反射するとやはり減少します。
しかし晴天なら断然日光を反射させた方が、ライトを当てるよりも紫外線量が多いと考えられます。